株式会社エスフィル || ESFILL Corporation

導入事例イメージ

導入事例紹介

遠隔画像診断サービス 事例紹介

概念としてはもはや一般に定着した「遠隔画像診断」ですが、興味はあるものの正面切った取り組みにまで至らない施設様もいらっしゃいます。これから遠隔画像診断サービスの導入をお考えの方々にとっては、既に高い運用実績を上げている施設様の経験はとても参考になるのではないでしょうか。そこで、これから「遠隔画像診断サービス」をご利用いただいている施設様の声を随時お届けしていきます。ぜひサービス導入の参考としてお役立てください。

医療法人財団立川中央病院附属健康クリニック 様

立川中央病院附属健康クリニック 外観写真

立川中央病院附属健康クリニック外観

新たに令和を迎えた今、開設から27年目を迎えた「医療法人財団 立川中央病院附属健康クリニック」。年間12万人を超える受診者を受け入れているクリニックで遠隔読影に携わっていらっしゃる柳生科長と淀統括課長に、遠隔画像診断の導入時のお話やそのメリットについて、また将来展望も含めてお伺いしました。

医療法人財団立川中央病院附属健康クリニック
http://www.kenkou-clinic.jp/index.html

立川中央病院附属健康クリニック 受付にて

立川中央病院附属健康クリニック受付にて

お話

健診部 統括課長 淀健一郎 様(写真左)

放射線科 診療放射線技師 科長柳生信幸 様(写真中央)

遠隔画像診断サービス導入のきっかけ

立川中央病院附属健康クリニック 待合室

立川中央病院附属健康クリニック入口待合室

立川中央病院附属健康クリニック様が遠隔画像診断の利用を始めたのは今から20年以上前に遡ります。淀統括課長は「当時はフィルムで撮影した画像をダンボールに詰め、読影医の先生のところまで送っていました」と振り返ります。
業務量の増大に伴い院内及び外部委託先の読影医の先生方への作業負荷も日増しに高まり、「なんとかしないと」という思いが強くなっていたそうです。
「当時ですら読影医が足りないと言われていましたし、読影医の高齢化などの問題なども顕在化することが予想されますから、今後ますます読影医不足の傾向に拍車がかかるのではないでしょうか」とお二人は分析されていました。

導入はスムーズに

立川中央病院附属健康クリニック 読影ルーム

読影ルーム

徐々に読影の数が増え、外部委託の医師数では業務量がカバーしきれない状況が見えてきた時点でその医師の一人である読影医からエスフィル社を紹介されたのが最初の出会いです。個人へ業務を委託するのではなく、組織として読影サービスを提供してもらえることに魅力を感じられたそうです。ちょうどその当時院内システム見直しの時期とも重なっていたこともあり、エスフィル社へ相談してみることに。
「システムの導入はスムーズでした」と柳生科長は語ります。「セキュリティのことなどデジタルならではの問題はしっかり検討しましたし、システムのセットアップなどの作業はほとんどお任せでやってもらえました」。

立川中央病院附属健康クリニック 読影ルーム

読影端末

しかし運用面での不安はなかったのでしょうか。
遠隔画像診断サービスを活用するにあたっての不安の声として、「対面形式でないことによるコミュニケーション不足」を指摘する声が根強くあります。
この点に関しては、メールや電話による情報交換を繰り返し行い、コミュニケーションをしっかり取り合う環境の構築ができており不安はすぐに解消できたそうです。
「今後は乳腺エコーやマンモグラフィーについても現在遠隔読影の導入を検討しています」(淀統括課長)とさらなる前進へ向けての抱負もお持ちです。

立川中央病院附属健康クリニック 健診設備

マンモグラフィー

立川中央病院附属健康クリニック 健診設備

胸部レントゲン

立川中央病院附属健康クリニック 健診設備

婦人科診察室

立川中央病院附属健康クリニック 健診設備

胃部レントゲン

※上記施設写真4点:立川中央病院附属健康クリニックHPより

遠隔画像診断サービス選定のポイント

「委託先が医師の視点とシステム構築者の視点と両方を兼ね備えた方が窓口になってもらえるというのはとても助かります」と柳生科長は導入時のポイントについて説明していただきました。
「遠隔画像診断サービスを提供する企業は既に数多ありますが、やはり「システムの話をする営業」と「運用に携わる医師」との間で意思の疎通がしにくいケースが出てきてしまいます。医師が考えていることをしっかり汲み取り、どれだけ同じ土俵で話ができるのかはとても重要だと思います」(柳生科長)。

遠隔画像診断サービスの知られざるメリット

それでは実際に運用する中で、遠隔画像診断サービスにはどのようなメリットをお感じになっているのでしょうか。
「コスト面や、サービスのスピードなどは当初の期待通りでしたが、実際に運用を始めてから感じたメリットは、「医師と技師」という関係性から少し距離をおいて、ビジネスライクに業務と向き合えることではないかと感じるようになりました」(淀統括課長)。
「医師といえどもやはり人間ですから、『目が違う』といいますか、院内の医師との判定のズレみたいなことがあります。『なぜここはこのように判断したのか』ということがどうしても感覚と違いすぎるというか…。そんな場合でも相手が個人ではなく組織であることで意見交換がしやすく、柔軟に状況に対応することができると感じています」(柳生科長)。

遠隔画像診断サービスに寄せる期待とAIの進展を見据えた将来展望

立川中央病院附属健康クリニック 本院

立川中央病院附属健康クリニックより本院を望む

今後の展開としては、眼底写真と心電図の読影をアウトソースすることを考えているそうです。「ここから目と鼻の先にある本院でも眼底の読影は可能ですし、コストもアウトソースするよりはるかに抑えることができるのですが、とにかく量が多くて…」と淀統括課長は状況を説明します。

「また即時読影への対応にも期待しています」(淀統括課長)とも。
「当クリニックはとにかく健診のスピードが早いんです。優良認定施設の認定を維持していくには面談で画像の結果を伝える割合が8割程度なければいけないのですが、診断が終わって面談に入るまでの間に読影が終わっている状態を遠隔読影でも実現してもらえるととてもありがたいですね」(淀統括課長)。
現在は院内の医師による読影で対応しているが、「遠隔でも常時読影を行っていて即時の対応ができるようになってくれると」(柳生科長)との期待を語られていました。

また、「とにかく見落としがない」ようにすることを支援する技術という意味で、AIにはとても大きな期待を寄せられていました。
「どんなに気をつけていても人が介在する以上エラーが起こることは避けられない」という認識のもと、そのエラーが数%下がるだけでも大きな効果があるといえるでしょう。

「エスフィルさんでもAIを画像診断に活かす取り組みを始められていて、お声がけいただいていますしとても興味を持っています。私達も積極的に関わっていければと考えています」とAIの普及による医師の負担軽減に期待を寄せています。

お二人からは「とにかく前に進まなければ」との熱い思いが伝わってきます。
「健康クリニックでも、まだ『紙』での運用が残っています。膨大な量を人間が処理をしてエラーをゼロにできるわけがないと思うんです。こうした分野でもAIが『業務のプロセスやロジックなどから考えてこの状態はおかしい』と助言してくれるようなところまでAIが進化してくれればと思うんですよ」(淀統括課長)。

遠隔画像診断サービス活用の先駆者は常に未来を見据えているようです。

(了)

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